アスベスト粉じん濃度測定

濃度測定

JIS K 3850-1 空気中の繊維状粒子測定方法 第1部:光学顕微鏡法及び走査電子顕微鏡法
建築物の解体工事中や、学校の敷地内等で、大気中のアスベスト粉じんの飛散状況を調査します。

測定結果をお届するまでの流れ

  • ご依頼
    ご依頼
    お電話、メール、又は当ホームページのお問い合わせフォームより、ご依頼ください。
  • 試料採取
    試料採取
    大気中から試料を採取するには、特殊な器具と測定技術が必要となるため、弊社が現場に伺って測定いたします。
  • 分析
    分析
    採取したアスベスト粉じん試料を弊社に持ち帰り、研究室にて分析いたします。
  • 報告書到着
    報告書到着
    アスベスト粉じん濃度測定結果を記した報告書を、ご指定住所へお届けいたします。
  • 料金お振込み
    料金お振込み
    アスベスト粉じん濃度測定結果報告書が到着してから2週間以内に、銀行振り込みでお支払いをお願いいたします。

アスベスト粉じん濃度の測定方法

アスベスト粉じん試料の採取

メンブランフィルター(孔径0.8mm)をオープンフェイス型のフィルターホルダーに装着します。

環境大気(敷地境界)用:φ47mm(採じん面φ35mm)

ポンプを起動し、吸引を開始します。
採取した気体はメンブランフィルターを通過し、粉じんが捕集されます。

実施条件:環境大気(敷地境界) 10L/minで4時間(2400L)室内環境 5L/minで2時間(600L)

繊維状粒子(アスベスト粉じん)の数え上げ(総繊維)

フィルターを透明化する薬品(アセトン-トリアセチン)を使用し、標本を作製します。

接眼レンズ部分にアイピースグレーティクルを装着し、調整した位相差顕微鏡(倍率400倍)を用いて、標本中の繊維状粒子(アスベスト粉じん)を数え上げます。

【繊維状粒子の計数条件】

  1. 長さ5µm以上、幅(直径)3µm未満、アスペクト比(長さ/幅)3以上の繊維状粒子のみを計数する。
  2. 単繊維の場合は繊維状粒子を1本と数える。
  3. 単繊維が曲がっている場合には、繊維の直線部分を目安にして曲がっている部分に沿って真の長さを推定して判定する。
  4. 枝分かれした繊維の場合には、一つの繊維から枝分かれした部分を含む全体を1本と数える。
  5. 数本の繊維が交差している場合には、交差しているそれぞれの繊維粒子を1本と数える。
  6. 繊維がからまって正確に数を読み取ることができない場合には数えない。
  7. 粒子が付着している繊維状粒子の場合には、粒子を無視して計数する。
  8. 計数視野領域の境界内に繊維状粒子の両端が入っている場合は、1本と数え、境界内に片方の端しか入っていない場合は、1/2本と数える。

走査電子顕微鏡法

使用する走査電子顕微鏡(SEM)は、エネルギー分散型(EDS)をもち、加速電圧15~25KV、倍率100~10000倍及び分解能60nmを満たすものです。

【標本の作製】

  1. 試料採取を行ったメンブランフィルターを10~15mm角に切り、金蒸着を施した同一寸法のスライドガラス片又はニッケル板に載せ、これをアセトン蒸気発生装置によってアセトン蒸気を発生させて、接着する。
  2. 必要があればフィルター、その他有機物などを灰化する。
  3. SEM試料台に導電性カーボン両面テープを5~10mm角に切って接着し、その上に試料粉じんを乗せたスライドガラス又はニッケル板を接着し、固定する。
  4. カーボンペーストを塗って導電性処理を行い、乾燥させ、カーボン蒸着又は金蒸着を施して、観察標本とします。

【計数】

長さ5µm以上、幅3µm未満で、かつ長さと幅の比(アスペクト比)が3:1 以上の繊維について、EDSスペクトルによって、アスベストかその他の繊維かを判定します。また、アスベストの場合には、その種類を同定します。

アスベスト粉じん濃度の算出

顕微鏡での数え上げは、試料の全てを見て行うわけではありません。フィルターの採じん面積(φ22mmの場合)380㎟に対して、3.53㎟(計数した1視野の面積0.07㎟を50視野)を確認します。よって統計上の処理により補正して、濃度を算出します。

例えば吸引空気量が600Lで計数した繊維総数が5本の場合は、(380/3.53)×(5/600)=0.90本/Lとなります。

計算式はアスベストモニタリングマニュアル第4.2版(環境省・PDF書類)の20ページ(3)繊維数濃度の計算を参考にしてください。

建築現場における、アスベスト粉じん濃度測定の意義

アスベスト飛散の恐れがある建築現場では、作業前、作業中、作業後と、一連の工程においてアスベスト粉じん濃度測定が必要となります。

■アスベスト除去作業前
アスベスト粉じん濃度測定の結果を元に、粉じんをコントロールすることで、そこで労働する人間に必要なアスベスト保護対策を行います。

■アスベスト除去作業中
セキュリティゾーン入口、負圧・除じん装置の排出口、施工区画の周辺又は敷地境界において、アスベスト粉じん濃度の測定を行います。
アスベスト粉じんが外部へ漏れていないかをチェックします。また外部漏れが発生していた場合は即座に防止対策を施します。

■アスベスト除去作業後(隔離シート撤去前)
作業空間内と外界のアスベスト濃度が、同程度であることを確認し、隔離シート等の撤去時期の判断の拠り所とします。

■アスベスト除去作業後(隔離シート撤去後)
撤去後のアスベスト粉じん濃度の推移を把握するためのものです。

アスベスト粉じん濃度測定の詳細につきましては、公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)をご覧ください。

公的証明ができます

アスベスト粉じん濃度測定の報告書は、行政や公的機関に提出する証明書として最適です。都道府県労働局に登録された作業環境測定機関、又はこれと同等の技術を有する者が、報告書を発行することができます。

弊社は石川労働局に登録された測定機関です。
同時に、社団法人日本作業環境測定協会のAランク認定を受けた分析技術者です。

アスベスト粉じん濃度測定について、その他分からないことや不安なことがございましたら、お気軽にお問合せください。

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